スキルも大事。でも、あり方はもっと大事。
コーチングを学び始めた頃の私は、とにかく「スキル」を求めていました。
よりよい質問の仕方、会話の展開方法、セッションをうまく進めるためのフレームワーク…。
新しい知識や方法を知るたびに、「これで一歩成長できる」と感じていたのです。
けれどある日、セッションを終えて振り返ったときに、ふと気づきました。
「どんなに質問の形が整っていても、私の“あり方”が揺らいでいたら、相手には伝わらない」ということに。
相手を信じきれていないとき、安心は届かない。
自分の中に余裕がないとき、相手の言葉を受け止めきれない。
その現実に直面したとき、私は「あり方の大切さ」に真正面から出会った気がしました。
スキルは道具、あり方は土台
もちろんスキルは大切です。
知識や技術がなければ、相手の話を整理したり、未来に視点を向けたりすることは難しいでしょう。
でも、スキルはあくまで「道具」。
その道具をどう使うかは、「私がどんな土台に立っているか」で決まります。
たとえば、同じ質問をしても——
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相手を評価する眼差しで問いかけると、防御の空気が生まれる。
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相手を信頼する眼差しで問いかけると、安心と可能性が広がる。
スキルそのものよりも、それを使う人の“あり方”が、相手の心に届くのです。
「あり方」を探る問い
ここで、少し立ち止まってみませんか?
自分自身にこんな問いを投げかけてみてください。
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私は人と関わるとき、どんな眼差しを持っていたい?
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もしスキルがゼロになったとしても、残したい自分の存在感は?
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相手と向き合うとき、私がもっとも大切にしたい価値観は?
この問いに答えたときに見えてくるものが、あなたの“あり方”の核心に近いのかもしれません。
あり方を育てる旅
スキルは本を読んだり、講座を受けたりすることで比較的すぐに学べます。
けれど、あり方は一夜にして身につくものではありません。
日々の小さな選択の積み重ね、他者との関わりの中での経験、そして自分自身との対話の中で、少しずつ形づくられていくものです。
まるで庭を育てるように——
毎日の水やりや光のあて方で、少しずつ根を伸ばし、花を咲かせていく。
“あり方”もまた、そんなふうに育てていけるものだと私は思います。
最後に
スキルを学びながら、同時に自分のあり方を見つめて育てていくこと。
それは、自分自身をより深く知る旅でもあります。
「私のあり方は何だろう?」
「どんな土台を大切にしていきたいだろう?」
そんな問いを、カードを使いながら静かに探る時間をつくってみませんか?
















