前回の記事では「あり方」をテーマにお話ししました。
落ち着いた在り方が整うことで、クライアントの言葉が自然に深まる——そんなコーチングの核心部分です。
では、「あり方」がベースに整ってきたら、次に磨きたいものは何でしょう?
今日は、どんなレベルのコーチにも必ず効く
“3つのベーシックスキル”
を取り上げてみます。
目次
① “聞く”を分解する:言葉の奥にあるニュアンスを聴く
コーチングでの「聞く」は、単に“内容を受け取る”ことではありません。
同じ言葉でも、言い方によって意味が変わります。
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速くしゃべる「大丈夫です」
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少し笑いながらの「大丈夫です」
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目線を伏せたままの「大丈夫です」
聞けば聞くほど、
その裏側に「本当はどう感じているのか」が見えてきます。
聞くスキルのポイント
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言葉よりも“温度”に注意する
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声のスピード・間・トーンもメッセージとして扱う
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評価せず、ただ“世界の見え方”に興味をもつ
コーチが細やかに聴いてくれることで、
クライアントは安心して自分の深いところを開いてくれます。
② フォーカスの力:話が広がらないように“絞る”技術
初心者が一番やりがちなこと。
それは、クライアントが出した話題を全部拾ってしまうこと。
人は、一度に3つも4つもテーマを整理できません。
だからこそ、コーチがそっとフォーカスを整えてあげます。
▼ よくある会話
クライアント:
「仕事も気になるし、人間関係も…将来も不安で…」
初心者の返し:
「仕事の何が? 人間関係は? 将来の不安は?」
→ 話が散らかる
経験者の返し:
「その中で、今日は“どれから”見ていきたいですか?」
→ 焦点が定まる
テーマは一つに絞るほど、
クライアントの言葉も、感情も、未来も見えやすくなります。
③ 言葉の“返し方”:鏡で返し、少しだけ探求する
質問よりも先に、
その人の言葉を、そのまま丁寧に返す。
この“返す”という技術は、地味ですが最強です。
▼ 例
クライアント:「最近、責任が重くて…」
コーチ:「“責任が重い”…どんな重さなんでしょう?」
返す → ほんの少し探求
この流れがあると、クライアントの内側の扉が自然に開きます。
返す技術の3ステップ
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キーワードを拾う
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そのまま返す
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探求のための小さな問いを添える
難しい技よりも、この基本がセッションを前に進めます。
■ スキルは、あり方を“伝える手段”である
コーチングスキルを学ぶと、
「このときはこの質問」「もっと深い質問を」と焦りがち。
けれど、スキルの役目は
コーチの在り方を“言葉としてクライアントに届かせること”。
だから、複雑なテクニックよりも、
この3つのベーシックスキルを丁寧に、何度も練習することが、
結果的に最も力になります。
もし、
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コーチングの基礎力を確かなものにしたい
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セッションの組み立て方に自信を持ちたい
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あり方 × スキル の両方をバランス良く伸ばしたい
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ひとり練習では気づけない“癖”や“伸びしろ”を知りたい
そう感じている方がいたら、
私が開いている コーチ塾 もきっと役に立ちます。
コーチングの原点となる
「聞く」「返す」「焦点を整える」「探求する」
これらを、安心できる場で、実践しながら身につけていくプログラムです。
技術を足していくというより、
あなたのコーチングの“軸”を太くしていく時間。
興味のある方はぜひ、タイミングが合うときに覗いてみてくださいね。
















